UCLA審美歯科プログラムで2年間臨床経験を積み、帰国後、都内有数の一般歯科医院・審美歯科医院で経験を積まれ、代々木八幡・代々木公園エリアに「フクトミデンタルオフィス」を開院し、米国式の最新治療を実践。普段垣間見ることのない福富先生の素顔にせまります。

(2016年11月:聞き手/03デザイン)

歯科医師
⇒Dr.福富のプロフィール

――まず初めに歯科医師を目指したキッカケを教えてください。

実家が歯医者をやっていまして、子どもの頃は他にもやりたいことが沢山あって、その中の一つに外国に行きたいという憧れがありました。外国に行って日本語の先生になれたらなぁという、ただただ漠然とした動機だったので、当時は親も先生も猛反対でした。

「そんなにアメリカに行きたかったら、とりあえず歯医者になってアメリカの最新の治療技術なりを学んで、日本との橋渡しをやれ」とこじつけられて…。今思えば結果的によかったですね(笑)。

――アメリカに興味や憧れをいだいたキッカケは何だったのですか?

高校1年生の時にイギリスに短期留学をしました。ロンドンからバスで半日くらい走ったところにあるイフラクーム(Ilfracombe)という港町にホームステイで2ヶ月くらいの語学留学だったのですが、それがキッカケで世界に視野が広がりました。

――高校の留学制度ではなかったのですか?

そうです。友人と「夏休みを利用してアメリカにでも留学したいよね」なんて相談してまして、サマースクール留学のあっせん業者を自分たちで見つけて申込みました。今思うとアメリカ行きがなぜイギリスの片田舎に変更になったのかはあまり憶えていないのですが…。そこで外国人や英語に対しての抵抗も少し和らぎ、慣れたような気がします。やはり若いうちに何でも経験する事は大事ですね。今考えるとUCLAへの留学の入り口はそこからだったような気がします。

イフラクーム(Ilfracombe)
▲イフラクーム(Ilfracombe)

当時は16歳ですが、世界中から英語を学びにきているサマースクールだったので世界中の同世代の友達ができて、視野が世界へと広がりました。

――イギリスでの留学経験が渡米に結びついたのですね

今思うとそうかもしれません。そんな経験があったので、大学5年生の時にも交換留学でUCLAへ3週間の短期留学をしました。出身の明海大学はUCLAと姉妹校だったんです。

学年全体の中で5人だけの留学枠だったのですが、一般試験、英会話のレベル、面接、今までの成績などが考慮され、その5人の枠に入ることができました。

ここでイギリス留学の経験が役に立ち、他の4人の同級生と比べると、最初から現地の人ともコミュニケーションが取れていたほうだったと思います。なんちゃってではありますが、意思疎通ができていました。

大学を卒業して研修医として1年間、大学病院で働きました。その後、大学に残り歯周病科、根管治療等の他科に勤務、一般歯科に勤務、…など色々道はあったんですが、自分としてはその3週間の交換留学の経験も大きく、卒業して歯科医になった暁には「もう一度UCLAで審美歯科を勉強しにアメリカに行こう」と強く決めていました。

渡米して、3人限定枠の審美歯科プログラムへ

カウンセリング

そのようなことがあり、2008年に渡米、まずジェネラルデンティストリー(AEGD)、いわゆるUCLAの一般歯科プログラムで一般歯科を学びました。

ここではレジデント(研修医・医局員)にはなれなくて、まず見学&アシスタントという立場だったんです。

――UCLAのエステティックデンティストリーの枠は、毎年3人と競争率が激しいようですね。どうやってその枠に入局できたのでしょうか?

自分は日本人ということもあり、アメリカ人に比べると不利ではあったんですが、ジェネラルデンティストリー(AEGD)での見学&アシスタントという立場が、かえってよい方向に働きました。どこの科にも所属しない立場ですから、根管治療ですとか、歯周病科ですとか、とにかく様々な科の診療室に顔を出せたんです。

その流れで、審美歯科の教室にも顔を出しに遊びに行っていたんです。
そこでまず顔を憶えてもらったというのが大きいですね。

UCLAのエステティックデンティストリーの科は2年のレジデントプログラムで毎年その枠が“3人限定”
毎年2~30人と医局に残りたいと応募があり、世界各国の歯科医の中での枠ですからかなりの競争です。

UCLA歯学部
▲UCLA審美歯科のレジデントと歯科技工士の仲間。2年間のプログラム。

卒業
▲UCLA審美歯科を卒業

「英語がしっかり喋れて応対できるんだったら面接でもまず受けてみたら」ということになりました。
それで面接のときに「あー、あの時のお前か」と印象がよかったようです。
以前にも、プライベートで教授やディレクターに「審美歯科」に行きたいと話していたんです。
自分を売る、アピールするというのはどの業種でも大事ですね。

「審美歯科」に合格し、毎日9~5時まで患者さんを診療するということを2年間携わらさせていただきました。

トッド
▲インストラクターのDr.トッド
帰国後も友人として長い付き合いが続いている

診療室
▲UCLA審美歯科の診療室

診療中
▲診療中のDr.福富

英語の環境にわざと身を置く

――外国での生活は、やはりいろんな壁があると思います。例えば語学など…。

コミュニケーションの点では少し苦労があったかもしれません。特に、通常の虫歯の症状と違って、審美的なお悩み・要望となると、細かいコミュニケーションが取れないと治療が進まないんです。痛みを取り除くという目的の診療とは事情が違いますから余計に大変でした。

――言葉による細かい意思疎通は英会話でも大切ですね

実はUCLAに行く前にロサンゼルス市の郊外にあるロングビーチの大学に9ヶ月くらい一般大学に行ってました。そこで語学も学びました。やはり現地で患者さんとの会話が成立しなければ何もなりませんからね。それからのUCLAへの編入だったんです。

自分の場合、英語がもともと好きだったというのもありましたが、留学してから語学を習得するという覚悟や目標もあったのかもしれません。UCLAに編入する前の語学学校の9か月間では「ここで英語を習得しないとUCLA入学がどんどん遅れてしまう!」という思いがありました。7月の試験が落ちたら次のチャンスは来年ですからね。何年もアメリカにいるわけにはいかないし、帰国して歯科医師として働くという最終的な目標もありました。

で、どうしたかというと、UCLAの編入試験まで日本人の友人の誘いも断ってとわざと遊ばないようにしたんです。外国人としか付き合わないように、部屋のシェアも外国人と、TVも1日1時間は現地のテレビを見ました。YouTube等で日本のお笑い番組、Yahoo!Japanのニュースも見ず、日本の情報を入らないよう、日本語を極力断とうというような環境に身を置きました。アメリカのテレビも最初は何言ってるか分からず結構なストレスなんですが、最低でも1時間なるべく見ようと決め、ネットはアメリカ版のYahoo.comを無理矢理見るようにしました。

その影響かは分からないですが、少し語学力も伸びてきまして、帰国前には外国人の友人にも「日本語なまりがないしゃべり方をするね」とも言われるようにまでなってきました。

UCLAに入ってからは、大学病院で9~17時までは、当たり前ですがスタッフ・受付・教授など、周囲がずっと英語。月曜から金曜までそれが続くので、土日の休日は外国人からちょっと飲み行こうよ、と誘われても「用事があるから」と逆に断るようになり、日本人の友人とつるむようになっていました。ずっと英語ばかりですとちょっときつくなってくる時期もありました。休日は日本の仲間とご飯に行くだけでも息抜きになりましたね。

――語学は大事ですね

UCLA3人の枠に入るのにとにかく必死だったように思います。試験でも一番見られるのは、やはり語学です。患者さんを診るわけですから、コミュニケーションがとれないとまず始まらない。自分も、もし喋れないまま受かったとしても患者さんに対して失礼ですよね。

――そもそも英語に興味をもったのはなぜですか?やはり高校時のイギリスへのサマースクールの経験が大きかったのでしょうか?

なぜ高校時代に、夏休みを利用して留学をしたかというと、そもそも英語に興味を持ったキッカケはアメリカのPOPミュージックでした。特にマイケルジャクソンが好きで中学時代は邦楽は全く聴かず、洋楽ばかり聴いていました。中学3年生の時には東京ドームにマイケルジャクソンのライブも観に行きましたし、自分の場合はマイケルの影響でイギリス留学、アメリカ留学がスタートしたといっても過言ではないように思います。

MichaelJackson

当院のカウンセリングルームに飾ってありますのでご興味のある方は探してみてください。

得意とする前歯の審美歯科治療

ラミネートベニア
▲福富先生が手掛けるセラミック歯

――先生が審美歯科に興味をもったのは?

虫歯治療というよりも「美容」に興味があったんですね。自分が学んだ審美歯科プログラムは矯正もやっていたんです。
“よりキレイに見せるための矯正”というのもあって。
それですごい世界だなぁと感じて、美容と矯正の両方に興味が出てきたのがキッカケです。

ですので、とくに好きな治療は前歯の審美修復。ラミネートベニアダイレクトレジン治療などで、特に歯の表面がでこぼこ、ざらざらの方、歯にすき間のある方、ホワイトニングだけでは白くならない方に大変喜ばれています。

また、保険治療はやってないと思われるのですが、そんなことはないんですよ。
保険でもいかに妥協せずなるべく美しく見せるか。保険でも最低限の修復は可能なんです。

どちらの治療も最大限の応対をさせていただきます。

――もともと手先は器用だったのでしょうか?

まぁそれもありますが、渡米して思ったこと。アメリカ人がもともと手先が器用でない方が多いように思います。おおざっぱという国民性とでもいいますか。

日本人はもともと手先が器用な国民ですよね。患者さんからも「あなたはジャパニーズか?」と一目置かれる場合がありますし、医局内でも重宝される存在といいますか、「器用なんだろ」と思われるみたいです。

それでもさすがに自分が師事した教授のマクラーレン先生にはかなわないと思いました。本当に細かくて繊細な治療をするんです。

マクラーレン
▲マクラーレン教授(左)とマクラーレン教授の著書

世界的に有名な審美歯科の先生なんですが、彼の特徴は、自分で治療形成して、歯科技工物も自分で作ってしまうこと。歯科技工士にも指導するほどなんです。マクラーレン先生にはホームパーティーにもよく誘っていただいて、公私ともにいろんなことを教わりましたね。

日本人としてたくさんの審美歯科治療を2年間みっちり経験できたこと、偉大な先生に師事したことが、自分の治療技術の幅を広げました。

――国内から行く単発のツアー留学と違い、現地の患者さんを診るという点が違いますね

これも大変よい経験になりました。現地で患者さんのお口の中を拝見し、実診療をこなしがらの勉強ですので、聞きたいこと勉強したいことがどんどん生まれますね。診療を実践しながら技術を磨いていきました。

実際に大学病院などの現地で午前9時~午後17時という時間帯で患者さんに年という単位で携わったドクターは日本国内では数えるほどしかいないです。

診療

――これから海外留学を考えられる方にアドバイスをするとしたら

今の情報化社会の時代に、わざわざ異国の地にいかなくてもという意見もあるかもしれませんが、何だかんだでやっぱり、現地で見る物、経験する事は肌で感じ取ったほうがよいです。アドバイスというとおこがましいかもしれませんが、行くのだったら向うのお国や都市の文化全てにどっぷりひたって吸収したほうがいいですね。

我々歯科医に限って言うと、手技ということだけであればインターネットや書物で情報は手に入れられますが、実際現地で診療するのとは違いが当然あります。どんな職業でもそうだと思いますが、教科書通りに中々上手くはいかないですよね。上手くいかないときは経験で修正・カバーでしていくしかないですよね。一番大事なのはコミュニケーション力なのかもしれません。

自分の場合、若いヤンチャな時代に国際交流を少しかじった経験があったからこそ、今があります。何でも飛びこめる若いうちに、といいましょうか。それこそ、日本国内で勤務医で就職したり開業したり、結婚や出産などがあると中々、行くチャンスというのは限られるのではないかと思います。

――帰国してからのアメリカと日本の違いは、どんなところを強く感じましたか?

DR福富

アメリカのほうが歯に対する意識が高い、というのはよく聞くことだと思います。アメリカは歯科医療費が高いんです。だから悪くなると高い治療費を払わなければいけない。そうならないように予防する・セルフケアするという意識が自然と生まれるんですね。

格差社会も激しく、デンタル保険すらまともに加入できない方もいて…。根管治療をしてクラウンを被せて20万円、もしくは抜歯をして7千円、どっちにしますか?というようなケースもあり、経済的事情で抜歯というのも珍しくありません。残せる歯なのに抜歯するのは歯医者として不本意でとても悲しいことです。

そんな事情が日本国内であれば、最低限、経済的事情にかかわらず、国民健康保険で最低限の治療が受けられ、「抜歯」なんてこともなくなります。さらに「審美歯科」や「徹底した根管治療」など、それ以上の治療を望む場合は、さらに良い治療が受けられます。

そういう意味では日本は恵まれています。ただし、よい治療をしている歯科医に出会うということが前提なのですけれども。

日本は国民健康保険で安く診療できる分、皮肉にも歯に対する意識が低い。もちろん保険で出来る治療は限られ、最高の治療は難しく制限されてしまうんですが、それでも最低限度の治療を国民のほとんどが受けることができますよね。

歯に対して意識を高く持つということは、われわれドクターや歯科医療従事者だけではなく、国民全体のテーマでもありますね。

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